キター Research Handbook of Political Partisanship

 

Research Handbook on Political Partisanship

Research Handbook on Political Partisanship

  • 発売日: 2020/05/29
  • メディア: ハードカバー
 

 本書がついに手元に届きました。この本の第18章"Partisanship and ideology in Japan"を執筆しています。この章では日本における実証的なイデオロギー研究史を特に政党や有権者との関係でレビューしています。ただレビューとしての問題はこの部分における三宅一郎先生の貢献に関する紹介が不十分という点かなと、書き終わってから反省しています。
 それはともかくメジャーな海外の出版社から自分の書いたものが出たのは初めてなので、これを書かせていただいたご縁に感謝しつつ祝杯を上げたい気分ではあります。自分で1冊出せるところまでなかなか行きませんが、まあ僕はこんなもんでしょう。
 私の研究者としての経歴は、イデオロギーを研究しているといえるほどのキャリアではないにも関わらず、このような章を書くのは不遜の極みですが、それでも依頼を受けたのは自分が大学院生の頃に蒲島郁夫先生と竹中佳彦先生の共同研究に触れたことが大きな理由の一つです。その成果は

 

 

 

現代政治学叢書8 イデオロギー

現代政治学叢書8 イデオロギー

 

として結実しています。

 これら以外にも日本においてイデオロギーや党派性についてデータに基づく研究が蓄積されてきていますが、それらの多くは日本語で書かれています。これらについて英語で紹介することには意義があるのではないかと考え、編者からの依頼に乗ることにしました。 もっとも入稿が大幅に遅れて編者には大いに迷惑を掛けました。謹んでお詫びします。

 なお本書全体の構成は、https://www.e-elgar.com/shop/gbp/research-handbook-on-political-partisanship-9781788111980.html から見ることができます。章の数は28と多いですが、各章ともコンパクトに書かれていて読みやすいものになっています。またCSES(https://cses.org/)など国際比較のためのデータもふんだんに使われた分析結果がまとめられています。

 単価が185ユーロといささかお高いですが(Edward Elgar memberになると166.5ユーロ)、ぜひ大学の図書館に入れていただければと存じます。

 なお早速誤植発見。

p.254に"1995 nen Taisei no Seiritsu "とありますが、"1955 nen Taisei no Seiritsu"が正しいです。中北先生、ごめんなさい。m(  )m。