宮台真司interviews

宮台真司interviews

読了.意味から強度へという宮台氏のスローガンを聞くと,ザ・ブルーハーツの「英雄にあこがれて」を思い出す.「こんなに平和な世の中じゃかっこわるすぎる」と彼等は歌った.強度を求めるセンティメントが,たとえば貧富の差を拡大するような政策を掲げる政治勢力を支援するmassの中にあるのではないかという気がする.自分が負け組になるリスクのない世界に強度などないからだ.たとえば車を運転して眠いと感じるとき,意図的にスピードを出すことで自分の中のテンションをあげることが,少なくとも私にはあった.今,時代の風潮はアクセルを求めているのか?
 誰もが勝ち組に回れるわけでなくても,退屈よりはリスクをとるネオリベ政策のほうが,少なくともスリリングに生きられる.もしそう感じる人々が多いのなら,社会民主主義のメッセージは届かないだろう.
 「共生」という言葉は美しく響くこともあるけれど,人はみな,だれとでも共生したいわけではあるまい.人間の寛容さにどれほどの望みをつなげるのだろう.そもそも自分はそれほど寛容か?