- 作者: 「中央公論」編集部
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2001/03
- メディア: 新書
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でもエリートは日本が沈んでもよその国で生きられるんですよね.英語くらい出来るだろうし.そういう存在に日本国への忠誠を誓わせるってのは結構難しい.それをなんとかするのがエリート教育なんでしょうけど具体策あるのかなあ.エリートは国境を越えてエリート同士で連帯しやすい.同じ国の同じ言語を話すノン・エリートとよりも別の国の英語を話すエリート同士のほうが話があったり,シンパシーを感じたりするわけです.そういう存在がお国のために自分を捨てるようになるためには,よほどの仕掛けが必要でしょう.
戦争になって戦場に行くのは結局貧乏人の子供というのは,どこの国でもそう.戦中の日本だって金持ちの息子やエリートの息子はやばいところにいかずにすんでたりする.アメリカだってクリントンは兵役逃れをしていた.私がいたミシガンで言えば,軍のリクルーターはAnn Arborのhigh schoolには来ず,所得の低い住民の子供を狙ってDetroitやYpsilantiのhigh schoolに行って新兵を探す.軍務を終えたら大学に行けるよと囁いて.高校卒業してもろくな仕事がなければ,軍に行かざるを得ず,そして戦場に行かされる.そういう人たちに愛国心を鼓吹し,国のために戦うことを賛美する.そういう社会に日本も近づいているんですかねえ?