- 作者: 宮台真司,北田暁大
- 出版社/メーカー: 双風舎
- 発売日: 2005/10/22
- メディア: 単行本
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「いくら普遍的なことを話しても,普遍的に了解されるよりも,文脈依存的に了解される度合いが強いんですね」(p.396)
とか
「歴史意識を持つ,また教養主義的言語空間の中に入っていく,というのは,何も他者に対する優位を確立するためではない.そうではなくて,自分のポジションを確認し,強迫的なアイロニーゲームの外に出るためにこそ,歴史・教養が必要なのだ.自分を楽にするために,歴史を知らなくてはならない」(p.402)
とか
「自分自身を<社会>ではなく<世界>の中へ位置づけること.これが教養=ビルトゥンクの目的です」
とか
「動物」論についての議論なんかも面白かった.
個人的に幸福に暮らすためには,欲望する自由と欲望からの自由の双方が必要だと考えてきたのですが,アリスティッポスの話(pp.429-430)はまさにそれで,わが意を得たりとも感じました.
宮台さんのエリート=パンピー2分論に北田さんがなんとか対抗しようとしているあたりも楽しかった.しかし読むには結構時間がかかったな.この本,売れてるらしいけど,この本を消化するのは大変だと思うなあ.
そうそう成田美名子の評価が低いのはなぜ?(笑)ちなみにウチの娘たちは最近Cipher
- 作者: 成田美名子
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 1990/12
- メディア: 新書
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それにしても宮台さんのように理論もやり,サブカル研究もやり,ロビイングもやり,これに以前はテレクラだったり,いったいその活動を支えるエネルギーは何なんだという気が本書を読んでもまだしますね.本書に書いてあるんだけどそれはあくまで知識としてで,皮膚感覚でわかることとは違いますから.彼の活動を見ていて「何もそこまで」と言いたくなることが私にはあって,それを「オブセッシブ」と北田さんはまえがきで表現しているのだと思うけれど.とにかくこれだけのことやっててよくアタマオカシクなんないよなあと,そのタフさに私のようなヘタレな政治学者はただただ脱帽です.