親分！てえへんだ！

　APSAのOrganized Sectionの１つにQualitative Methodsのセクションがあり，そのNewsletter "Qualitative Method"が手元に来た．Ian Shapiroの新著

The Flight From Reality In The Human Sciences

発刊記念シンポジウムが目玉の一つ．Gerry Mackie, Jennifer Hochchild,そしてDavid Laitinがこの著作に対してコメントをつけている．Shapiroの新著は未入手なのだけれど，シンポの内容を読む限り，その基本メッセージは「Method-drivenな研究ではなくproblem-drivenな研究をしましょう」ということらしいのだが，Laitinのコメントがエゲツナイほど攻撃的である．どうも双方かなり深い遺恨を抱えているように見えるのだが，詳しい事情をご存知の方，誰か教えていただけるとうれしい．
　ご承知のように

Pathologies of Rational Choice Theory: A Critique of Applications in Political Science

においてShapiroはラッチョを激しく攻撃したので，ラッチョからはあまり好かれていない研究者なのだろう．
　また個人的にはLaitinの

Identity in Formation: The Russian-Speaking Populations in the Near Abroad (WILDER HOUSE SERIES IN POLITICS, HISTORY, AND CULTURE)

は好きな著作なので，割と彼には好印象だった．だけれど，ここまですごい攻撃を読むと，ちょっと考え直しちゃうかも．
　内容の深い紹介は時間をとられるので勘弁してください．
　まあしかしある意味，こんなバーリトゥードのような論戦を見られたことで，Section加入の料金を払った元は取れたような気もする．