新学期第1弾の(自己)宣伝

政治学の新潮流―21世紀の政治学へ向けて (年報政治学2006)

政治学の新潮流―21世紀の政治学へ向けて (年報政治学2006)

tamuraさんがまだかまだかといってたブツがきましたね.近藤論文と森論文の2つで拙論を御紹介くださり感謝申し上げます.
 それにしても管見する限り,熟議民主主義(deliberative democracy)について議論してる邦語文献で,拙訳書
民主制のディレンマ―市民は知る必要のあることを学習できるか?

民主制のディレンマ―市民は知る必要のあることを学習できるか?

の第10章「知識の制度」に言及したものを見たことないのですがなぜ?こんなこと書いてあるんですけど(p.251).

「集団内の最も説得的な人々が知識を持っていないか,それとも最も説得的(そして/あるいは知識を持っている)な人々があまり知識を持たない人々を誤解させる誘因を持っている時,熟議は啓蒙とは異なる.単に熟議の環境を構築するだけでは,集合的な知識の質が向上し,集団間に公平に流布することを保証しないのである.これは熟議が有益たりえないというのではなく,啓蒙の条件を産み出す環境において熟議が起これば,それははるかに有益なものとなる見込みがあるということなのである」