これまた遅まきながらだが,

検証 日本の組織ジャーナリズム―NHKと朝日新聞

検証 日本の組織ジャーナリズム―NHKと朝日新聞

元NHK記者の川崎氏と元朝日新聞記者の柴田氏による共著.女性国際戦犯法廷についての番組改竄問題や,西山事件創価学会のメディア支配など,興味深い情報がいろいろ.一読の価値あり.
 ただ読んでいて気になったのは「ジャーナリストとしての志」の強調.現役の記者たちがこれを説得的と感じて素直に受けとめてくれるのだろうか.志なくして何のジャーナリズムかというのはそのとおりと思うけれど,精神主義で戦いには勝てるなら苦労はない.http://www.videonews.com/sympo_jurisdiction2.htmlなどからも,ジャーナリストをめぐる状況はかなり厳しいように思われる.新聞じゃ書かせてもらえないから『週刊金曜日』で書かせてくれという記者がいるっていうんだものね.だったら対抗策を練らないと.

 あと

こういう本ってどれくらい売れてるんだろう?
 個人的には宮崎哲弥

「日本の『憲法不全』の元凶は(中略)九条の空文化なんかにではなく,憲法訴訟そのものが少なく,まして裁判所が違憲判決を出す事例は数えるほどしかないという戦後司法の消極性にこそあるんだよ.これを打開するには憲法を改正して,裁判所の違憲立法審査権を格段に強化するか,あるいはドイツのように違憲審査専門の憲法裁判所を設立するのが手っ取り早いというのが私の考えなんですがね」(p.41)

が面白かった.でも権限与えればきちんと行使してくれるのかね?ちと不安.

 ああ,自分の研究進んでないなあ.暑くてアタマ働かないや.